家族葬エピソード

体を動かすのが大好きで、長い間、看護師として働れ、定年されてからも、
清掃のお仕事をされたりと、70代まで働いていらした故人様。

朗らかで、頑張り屋、「自分の事より周りの事」
と家族や周囲の方々の為に、いつも一所懸命だったそうです。

お花がお好きだった故人様。お柩を囲む様にたくさんのお花が飾られました。
お供えにご用意させていただいたのは、故人様がお好きだったお刺身。
ご家族様からは、よく食べていらしたという桃がお供えされました。

ご親族様だけでお見送りをしたい。というご家族様のご希望で、
お式はご家族葬となりました。

お式後のお別れでは、ご親族様から
「良かったね。たくさん食べてね。」
「これからは、ゆっくりしてね」
と故人様へと温もりのあるお言葉がかけられていました。

お柩の蓋が閉じられ、ご出棺の時を迎えた際、
「親族皆に見守られて、母も喜んでいると思います。」
と喪主様がおっしゃり、私も胸の内が温かい思いとなりました。

ご家族様、ご親族様方々の温かい思いや繋がりを感じる事が出来たお式となりました。

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｢花を愛でる時間が若い頃になかった人だから花に囲まれて良かった｣

大正に生まれ戦争とともに過ごされた青春時代。
戦後の混乱の中、結婚と子育てを懸命にされてこられた故人様について長男様は。
｢苦労が多かったと思う。俺達には勉強しろっていつも言ってた。
勉強は将来の自分を助けるからって｣
と、お話してくださいました。

遠方にお住まいのご親族にお電話で訃報を伝えると、隣にいた私にも聞こえるくらい号泣されておりました。
長女様が、
｢これだけ悲しんでくれるんやったら来てもらいたかったのになぁ。
コロナやけん呼べないし、元気な時も会いに来れなかったのが悔しい｣
と零されておりました。

儀式的なことはされず、お子様3人でのお別れでしたが、
たくさんのお花をお柩にお納めされ長女様が、
｢もう向こうでお父さんやじいちゃん達に会えてるんかな｣
と、優しくお顔に触れ声をかけると長男様が、
｢皆、お疲れ様って言ってくれるよ。ずっと頑張ってきたんだから｣
と、長女様の背中を優しく支えられておりました。

お花に沢山囲まれた姿をお写真に残され、お別れに来られなかったご親族様にお見せすることに。

｢みんなでお母さんのことを想って生きていくけんね｣
と、長女様の言葉を最後にご出棺となりました。

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40代で会社を立ち上げ、会社や、社員、家族の為に、時には厳しく、時には温かく、
一所懸命ご尽力されてきた故人様。
旅行が大好きで、家族旅行や社員旅行で色々な国や場所を訪れたそうです。
式場入り口の思い出コーナーには、色々な国で撮られたお写真が、その場所いっぱいに飾られていました。

「私が写っている。懐かしいなぁ。」

「〇〇に行った時の写真‼︎」

「まだ、若かったなぁ。」

お写真をご覧になられた方々からの、お話しを耳にし、私も嬉しく思いました。

式場内には、ご親族様やお仕事関係の方々からのたくさんのご供花が飾られていました。
お供えとして、お好きだったと伺った鯵のお寿司をご用意させていただきました。
その横には、ご家族様がご用意された、故人様がお好きだった日本酒が置かれました。

お式、お別れが終わり、ご出棺前に喪主様が、
「たくさんの方々に見送っていただけて父もとても喜んでいると思います。」
天を仰ぎおっしゃったお言葉に、胸が締め付けられる思いとなりました。

皆様のお別れの寂しさや、悲しみが、深く感じられるお式となりました。

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式場の入り口には、故人様が長い間大好きでいつも応援されていた阪神タイガースの人形や、
昭和の時代から集められていた沢山の雑誌や本、カセットテープ等が飾られていました。

「自宅にはもっと沢山有るんですよ。それこそコップとかユニフォームとか」
飾られた品々を見つめられながら、ご家族様が教えてくださいました。
所々、色褪せたり、擦り切れたりしながらも故人様がとても大切にされていた事がわかるお品物を前に、
お参りに来られた方々が懐かしそうに思い出話に花を咲かせていらっしゃいました。

明るく、優しいお人柄だった故人様。
カステラやおまんじゅうがお好きと伺い、お供えとして、ご用意させていただきました。

葬儀式の前には、最後のお膳としてご親族様には御斎膳が振る舞われました。
「ご馳走様です。美味しかった。」
「完食出来ないと思ったけど、全部食べちゃいました。」
御斎膳をなおられた方々のお言葉に、私も嬉しい気持ちとなりました。

お式後のお別れでは、たくさんのお花や大切にされていたタイガースのグッズ、
お供えの品々も皆様方の手により、お柩へとお納めいただきました。
一つ一つ、丁寧にお品物を納められるご家族様のお姿に、ご家族様の温かいお気持ちが伝わってきました。

夏の甲子園を思わせる様な青空の下、ご家族様のお付き添いと共にご出棺となりました。

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奥様を数年前に亡くされ、義理のご両親とご自分のお母様のお世話をされていたという喪主様。
私の知り合いで、ご主人が亡くなられたら残されたお父様とは、縁を切り一切連絡をとってない人がいます。
人間関係が希薄になっている今、義理のご両親のお世話、みとりまで責任をもってする。
と当たり前のようにお話をする喪主様に感銘をうけました。

数人、ごく近い方での見送りになるが、お経はあげてあげたいと言う喪主様。
亡くなられたのは義理のお父様でした。
県外にいるお孫様はラインビデオでの参加となりました。
義理のお母様は、施設入居のため出荷できないということ。
今は外出も、出来ないようでした。

故人様の妹夫妻もお見送りにみえました。
すると、妹様が自宅で飾るお花のこと、後飾りの段のこと、色々心配されていていました。
喪主様は、優しく微笑みながら、大丈夫ですよ、全部こちらの方が用意してくれました
とお答えしていました。
妹様が,「お世話から何から何まで頼り切ってしまってゴメンネ、ホントによくしてくれたねぇ、、」
と感謝の言葉を伝えていました。

お花入れが始まると、ビデオで参加されていたお孫様が,
「ちゃんとおじいちゃんの顔を見せて！」と言われ、
「おじいちゃん、よく頑張ったね、会いに行けなくてゴメンね、ホントにごめんね..」と涙されていました。
遠くて参加できなくても、今は便利になったねぇ、と皆様が口々に言われていました。
最近は遠くにいて帰ってこれない方が、ビデオで参加することが見受けられるようになりました。
前は考えられなかった事ですが、とてもいいアイデアだと思っています。
実際、お孫様は「最後に言葉をかけれてよかった！」とおっしゃていました。

後日、喪主様がみえられて、
「きちんと見送りができて助かりました。みんな、満足しています。」
と、お言葉をいただけました。

最後まで責任をもってお世話をする喪主様の姿勢に感動いたしました。

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ご遺影写真は、お若い頃のお姿のお母様。
子供様方が幼い頃から長く勤めてこられた会社の制服を身に纏ったお姿でした。
「いつもこれを着て動き回ってたから、一番馴染みがあるこの写真にしました」
と、娘様はお話ししてくださいました。

ご遺影写真は手元に一生残るもの。
お母様の生きた証がそこにはあり、お写真を選ばれた子供様方の想いが詰まっています。
懐かしい面影の残るお母様のお姿は、これからの日々、写真を通じて思いを馳せることもあるでしょう。

祭壇には、お母様がお好きでいらっしゃった花々が彩りを添え、和菓子やお酒などが
溢れんばかりにお供えされました。

限られた時間の中、傍でひとときも離れずに想いを注いでいらっしゃるように見えた娘様。
「母親ってすごいですよね。いつも子供の為に休まずに動き回って...
頑張ってくれてました」
と、沢山のことを教えてくださいました。
いつも当たり前のようにあった頑張る母の背中は、ご家族に大きな幸せを与え、
愛に溢れた絆を紡いでくださったように思います。

お別れの時。
旅立ちを見守る涙は、悲しみや寂しさに溢れ、お母様の頬に手を添え絞り出すような声で捧げられた
「ありがとう...」
「育ててくれてありがとう...」
子供様方の精一杯のそのひとことに、言い尽くせぬ感謝の想いが込められていました。

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6年前にご本人相談にみえ、とてもお元気そうにみえましたが、あちこち悪くて、
子供たちに迷惑をかけないようにしたい、と言われていました。

もともと肺が悪かったのに肺炎をおこし、常に酸素を付けるようになった。
しかし、入院を続けていると、今の状況では面会が一切できない...
と、家族会議を開き娘様達が看護師をされていることもあり、在宅介護に切り替えたということでした。
自宅にいれば母も安心するし、孫にいつでも会えるという精神的な事を1番に考えました
と、お話ししてくださいました。

お亡くなりになる朝も、自分でトイレに行き普段と何も変わらなかったんで、ただただ驚いています...
と、娘様達は、うつむきとても残念そうにされていました。

入院していたら、もっと長く生きれたのではないか？と色々と考えました。
でも、この選択は良かったんだと思いたい、と涙を拭いながら必死で笑顔をつくってくれました。

私も、今最後のみとりも出来ずに悔しい思いをされてる方がどれだけ多いか、と言うお話をさせていただきました。お父様にとって、最後まで皆様と一緒に過ごせて何より幸せだった、ということも。

最後に娘様達が、
「父がずっと、自分に何かあったら備庵に頼んでるから心配ない。
と葬儀費用と書類一式をきちんと用意してくれてました。
なので、私達は何も慌てることもなく連絡できました。
口癖のように備庵にたのんでるから、と言ってました。」とありがたいお言葉をいただきました。

在宅介護はとても大変な事で、娘様達が看護師だから選択できたのかもしれません。
故人様も最後までご家族の方達と過ごせて幸せだったと思う気持ちと、皆様に大変お疲れ様でした、という想いでいっぱいになりました。

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専業主婦としてご家族を支えてこられたお母様のお見送りでした。

子供様、お孫様、ご兄妹に囲まれたお別れの時には、
皆様でたくさんの色鮮やかなお花を手向けられながら、記憶の片隅にあったお姿に思いを馳せ、
みんなで偲ぶ悲しくもあたたかい時間が流れていました。

「リポビタンDお供えするけんな」
「毎日飲みよったな...」
ふと聞こえてきた会話。
「お好きだったのですか？」とお伺いすると、
「もぅ大好き！！」
と声が揃いました。
ゆっくりとお別れをしていただいている間にスタッフは走りました。

「皆様で飲ませてあげませんか？」
用意ができ、皆様の前へお持ちすると
「これー！！うわぁ！」
「今の間に？」
「え～！涙が出る～」
「10年以上前から毎日飲んでたの！」
みなさま感動の嵐でした。

お母様の元気の源、リポビタンD。

我先にと言わんばかりに、おひとりずつ百合の花びらでお口元へ運んでいきました。
「飲んだら元気になるよー！」
「これで元気出して歩けるなぁ」
「しっかり飲んで三途の川を楽に渡って！」
皆様の想いがあたたかくお母様を包んでいました。

ご出棺の際、
「最後の配慮はわたし感動しました～！この感動は一生忘れません！本当にありがとう」
娘様より嬉しいお声をいただきました。

「思い出がいっぱいあるけど、その思い出が苦しい...」
と、時折溢されていた娘様。
良い思い出となって心に残れば幸いです。

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今回お手伝いさせて頂きましたお式の故人様は大正生まれの90代の男性の方でございました。
故人様の奥様は施設におられ、お子様は既に亡くなっておられるとの事。
一番近いお身内のめいご様が喪主様をつとめることになったそうでございます。

表情も固く、戸惑いと不安なご様子の喪主様。
「不安な事があったら何でも言ってくださいね。」
と、声を掛けた時式場に来られて初めてニッコリと笑顔で、
「ありがとうございます。少し気持ちが楽になりました。」
と、言って頂けました。

祭壇のお写真は施設にいらっしゃる奥様が、
いつも見られるようにと小さめのサイズのお写真にしたいとのご要望でございました。
持って来られたお写真は施設の誕生日会で撮られたもので照れた表情で、
誕生日ケーキの形をした帽子をかぶって撮られたとても楽しそうな雰囲気のお写真でした。

お式の前には、奥様が施設の方と一緒に会いに来られました。
余り体調がすぐれないので式への参列は出来ないのでお顔を見てお別れをしたいと来られたそうです。

お見送りはめいご様、めいご様の息子さん、後見人の方の３名でございました。
お別れの時、皆様に祭壇のお花を入れて頂きました。
最後に皆様で合掌を手向けお蓋を閉めさせて頂きました。

「ありがとうございました。終わってホッとしました。」
お車に乗られためいご様からお声を掛けて頂きました。

出棺したお車を手を合わせて見送りながら皆様に安心して頂けるスタッフの一人でいたいと改めて思うお式でございました。

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　大分県豊後大野市三重町菅生1652-1

「遺影写真はこの写真でもいいですか？」
持って来られたお写真は少しお若いときにご友人が撮られた物で、
とてもお気に入りだったとの事でございました。
大きな祭壇用のお写真と、皆様の目に触れるところに置いておける小さなお写真を、
ご自身でご準備されていたそうでごさいます。

今回お手伝いさせて頂きましたお式の故人様は７０代の男性の方でございました。
「曲がった事が嫌いやったし、本人も真面目でとても厳しくて、小さいときはよく怒られたなぁ〜
でも、仕事が終わって毎日キャッチボールしてくれたり、竹を切って来て弓矢を作ってくれてどこまで飛ばせられるか競争したり一緒に遊んでくれたわぁ。」
喪主様はそうお話頂いたご長男様がつとめられました。

「お酒は余り得意じゃなくてね。口を付けるだけ。とにかく甘い物が大好きで特に小豆！
ぜんざいとか、おはぎとかが好きやったわ。みんなでコーヒー飲むとねいつもお砂糖たっぷり入れて飲んでたわ。」
奥さまも皆様と懐かしそうにお話してくくださいました。

お別れの時、皆様に祭壇のお花、お好きだったお砂糖たっぷりのコーヒー、ぜんざいも一緒に入れて頂きました。
「親父、お疲れ様。」
「お父さん、ありがとう。」
奥様の最後のお声掛けを頂きお蓋を閉めさせて頂きました。
「昨日の夜、みんなで昔の話を沢山したんよ。楽しかったぁ。」
お車に乗られた奥様が満足そうな笑顔で言われておりました。

ご親族様だけのお見送り。ご家族の絆を感じられるお式でございました。

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