家族葬エピソード

故人様は70代の女性の方でした。

遺影写真に写る故人様もお柩に眠る故人様も同じように美しい女性でした。
自身で商売を営み、独身を貫いたご生涯だったそうです。
集まって下さった皆様はご兄妹と数名のご友人。皆
様顔見知りのご様子で、故人様を囲み和やかに過ごされていました。
私達スタッフも加わりお話しを聞かせていただきました。
「少し若い頃の写真なんだけど（遺影写真を）これにしてみたの」
と、故人様の妹様が仰いました。
見つめる私達に「この服がお気に入りでね」と説明してくださいました。
それは濃紺のレース状でとても素敵なブラウスでした。
特にお気に入りだったそうでよくおめしになっていたそうです。
「このお洋服、今は？」と尋ねますと、
「あ！あるかもしれない。あったら入れたい」
と、仰っしゃられ、みつかったらお持ち頂くことになりました。

葬儀の日、あのお洋服を探し持ってきてくださり、お棺の中におさめることができました。
「あ〜よかったわーあって！」
「ほんと！気に入ってたからねー」
と、皆様喜んでいらっしゃいました。
沢山の花々とお気に入りのお洋服と共に眠る故人様はとてもお綺麗でした。

出棺の時、ご兄妹と友人の方々から感謝の言葉をいただきとても嬉しく思いました。

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故人様は１００歳を超える女性の方でした。

４人のお子様を筆頭にやしゃごまでご参列のご家族葬。
ここまでお集まりになったのは今回が初めてとの事で半ば宴会のような雰囲気でした。
ひ孫様もまだ幼い方も多く、式場内を楽しそうに駆け回っていました。
「こんなにいっぱい来てくれたで！かぁちゃん」
と、長男の喪主様はお柩の中の故人様に嬉しそうに話しかけていらっしゃいました。
長男様もご高齢で少しお疲れのご様子でしたが、やはり嬉しさの方が勝っていたようです。

葬儀がはじまり、喪主様のご挨拶になりました。
「この歳まで大きな病気もせず大往生やと思います。最後にはこんなにみんなが集まってくれて...
母ちゃんからやしゃごまで繋がっているんだと思うとすごい事やなと感じます」
と、率直な思いを語ってくださいました。お聞きになっている皆様も深く頷かれていました。

お別れの時、皆様に沢山のお花をお柩の中におさめていただきました。
小さなお子様達が戸惑わないか気になり様子をみていましたが、迷う事なく故人様に触れ、
話しかけながら何度も何度もお花を手向けているのを見て安心いたしました。

出棺の時「みんなのお陰で賑やかに送ってやることができたわ」
と、お話しされているのが聞こえ、又、お車に乗り込む際「ありがとう」と言っていただき、とても嬉しく思いました。

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故人様は80代の男性の方でした。
この時期で参列は難しいけど沢山の方にお参りしていただきたいと喪主様のご意向でした。
故人様は生前、様々な功績を残されており、沢山賞状をお持ちとの事で、数点展示させていただくことになりました。
お悔やみに見えた友人知人の皆様は、その展示コーナーで足を止め、思い懐かしんでいらっしゃいました。
社交的で誰からも慕われる方だったとお参りにみえた誰もが口々に仰っていました。
一人一人に丁寧な挨拶をしながら故人様の思い出話をしている喪主様はやはり嬉しそうにみえました。

喪主様のご挨拶の時、
「悲しい別れではありますが、沢山の方にお参りに来ていただけた事、
親族がみんな集まってくれた事、それが本当に嬉しいです」
と、声を詰まらせながら仰っていました。

お別れの時、沢山の切花をお柩におさめたあと、ご親族一人一人がご自身が折った折鶴を故人様に手向けていきました。
そしてもう一盛り、折鶴の入ったカゴをお持ちしました。
その鶴は参列が叶わなかった知人の方々が折ってくださった折鶴でした。
故人様のお人柄がその鶴に込められているようで、とても印象的でした。

喪主様はじめご遺族の方は涙が止まらずひとつひとつ丁寧に折鶴をおさめて行きお柩の蓋はとじられました。
出棺の時、お車に向かう皆様がとても丁寧に挨拶をしてくださり、私もとても嬉しい気持ちでございました...

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故人様の遺影写真を（穏やかでとても優しい笑顔だな）と思い見つめていると、
1人の男性が私の隣に立ち同様にご覧になっていました。
少しの間でしたが何を言うわけでもなく、ただ黙って穏やかな表情で見つめていました。

「とても良いお写真ですね」と話しかけてみましたら、
「うん。うつりがいいわぁ〜」と冗談めかして微笑みました。
この男性は故人様の息子様でした。
そのお写真では優しそうなイメージしかない私に、
「昔は厳しかったんよー。全く違うイメージよ！この写真と！」
「特に挨拶にはね」と懐かしそうに仰いました。
それからご趣味の話しや仕事ぶりなど沢山教えてくださいました。
閉式後の少しホッとされたお時間でした。

今回のお式は二部制で執り行われました。
お通夜のお式のあと時間を設け、一般の方にお参りしていただく方法です。
ご遺族様には少し長丁場になりますが、故人様を偲び、ゆかりのある方とゆっくりお話しができると喜ばれていました。

その日は秋晴れで少し暑い日でしたが、火が沈むにつれ肌寒くなっていきました。
まだまだ参列者が途絶えることはありませんでしたが、ほんの一瞬人の波がおさまりました。
一息入れていただく為、お茶をお持ちすると、
「あ〜温かい茶淹れてくれたん？ありがとう」
と、喪主様が率先してご家族にお配りしてくださいました。
後にその事で改めてお礼のお言葉をいただき、本当に嬉しく思いました。

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故人様は80代の男性の方でした。

6人兄弟の長男として大黒柱的な存在。
そう話す奥様は故人様と幼馴染で、幼い頃からの事を沢山お話ししてくださいました。
「約70年以上の付き合いよ」と長い年月を懐かしむようなお顔でした。
お若い頃から女性に大人気だったご主人だったそうですが、
ご主人は奥様一筋だったと親戚の方がこっそり教えてくださいました。
奥様は聞こえていたのか聞こえていないのか分かりませんが、
「あたしは（ご主人は）○○ちゃんと結婚するとおもっちょったんやけどなっ」
と、ひとごとの様に仰っていました。
「奥様、あっさりしてますね」と親戚の方に言うと、
「そう！昔っから豪快なんよ、おばちゃんは！」と微笑まれていました。

お式も無事におわり、お別れの時間になりました。
皆様に祭壇のお花を入れていただきながら故人様を偲んでいただきました。
奥様は一度だけお花を手向け、その後はずっとご主人様の側に寄り添い長い間話しかけていました。
小さな声で...
最後に「じゃ、またね！」と元気よくひと声かけ、私達に明るい笑顔を向けられました。

出棺の際、霊柩車に乗り込む奥様に「お気をつけて」と頭を下げると、
「うん。またね！」とお返事がありました。
驚いて頭をあげ、お顔をみると少し悪戯っぽく微笑みながら手を振ってくださっていました。
最後まで明るい奥様に、少しだけお別れが名残惜しく感じました。

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生真面目で、農業一筋の働き者だったお父様。
嫌と言ったら嫌という頑固な一面もあったとご家族様がおっしゃるお父様は、いつもまっすぐで裏表のない素直なお人柄。
ご自分の信念を貫くまっすぐさは時に頑固者のように見えてしまうこともありますが、
一度決めたことは最後まで責任を持つ姿勢や、相談事などに親身に手助けなさるお姿は誰からも慕われ頼りにされる存在に。

「父は感情を表に出すことが少し苦手で気難しいと思われがちでしたが、情けに厚くとても優しい人でした」
と息子様はお話ししてくださいました。

娘様もお父様との思い出を振り返り、
「厳しい所もあったけど、私がまだ学生の時送り迎えしてくれたり...
今思えば本当に良くしてくれて優しかった。その時はそれが普通で当たり前だったけど、
自分が親になって気付いたんよ。自分の子供に同じこと出来んわ～」
と、お父様の深い愛情に感謝なさっていました。

ご葬儀では交流の深かった地域の方々もたくさんおみえになり、優しく声を掛けられながら、
お人柄を偲ばれている様子に、慕われていたお父様のお姿が浮かんでくるようで...
切なくもあたたかい気持ちになりました。

「みんな来てくれたよ、良かったね」
お柩から溢れんばかりのお花に包まれたお父様。
みなさまでお父様を囲み語り合う思い出の数々は、笑顔や涙で溢れていました。

多くの想いを胸に、たくさんの方々がお父様の旅立ちを優しく見送られました。

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厳しさの中にも優しく、真面目なお人柄でいらっしゃったお父様。
山や畑・庭仕事が大好きだったお父様が、何にもまして大好きなのが奥様でした。
数年前、最愛の奥様に先立たれ随分落ち込んでいらっしゃったとか...
お柩の中に眠るお父様を見て、
「お母さんに会えるからか嬉しそうな顔してる」
「もうすぐ会えるから喜んでるだろう、ワクワクしてるのかも」
と、子供様方は口を揃え優しい笑顔を向けていました。

先立たれた奥様が入院されていた時、1日3回もお見舞いに行かれるほど愛妻家だったお父様。
奥様に寄り添い優しい眼差しを向けるお写真が式場入り口に飾られ、
そこにはお父様のお言葉が添えられたお手製の写真ボードまでがたくさん並び、
1つ1つ拝見させていただくとお父様のお人柄や深い愛情が窺えるものばかりでした。
思い出コーナーの前で足を止め、思い出話に花を咲かせる皆様のお姿はとても和やかで優しい時間が流れていました。

お別れの時。
「お母さんカサブランカ好きだったから入れてあげたい」と娘様。
最愛の奥様へのプレゼントにとカサブランカの花束を用意し、最後に娘様の手でお父様へ託していただきました。
「ツンデレのお母さんと仲良く暮らしてね」
ご両親の再会を願い、思いやりに満ちた優しさと笑顔で見送るご家族様のお姿がありました。

今頃、数年振りの再会を果たされ、ご夫婦仲良く見守ってくださっているのではないでしょうか...

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いつもご家族のために懸命に働き、平和な毎日を与えてくれたお父様。
第一線を退いてからは、自治会長を歴任されるなど地域の方々のためにご尽力なさり、
ご自宅では庭いじりや野菜作りにも励まれたりと彩り豊かな人生を歩まれました。

数年前、不慮の事故に遭い生死を彷徨ったこともありましたが、驚異的な回復力を見せ、
『スーパーおじいちゃん』と呼ばれていたそうです。

「スーパーおじいちゃんは1週間もすれば戻ってくる」
「もう一度奇跡が起こって元気になって欲しい」
この度の子供様方の願いは叶うことはありませんでした。

入院中、朦朧とする意識の中で『とにかく家に帰りたい』と何度も叫ばれたというお父様。
病院の天井ではなく大好きな自宅で最期を迎えさせてあげよう、と子供様方で話し合いご決断なさいました。
あっという間の日々でしたが、住み慣れたご自宅でお父様ご自慢のお庭を見ながら、
ご家族で紡いだ思い出の香りに包まれるように静かに眠りにつきました。

お柩の中に眠るお父様はとても穏やかな表情でした。
「本当によく長生きしてくれた」
「ありがとうの気持ちでいっぱい」
「笑って送りたいと思います」
3人の子供様から溢れる感謝の想い。
その想いが形となった和やかで温もりに満ちたお別れとなりました。

沢山のお花に包まれたお父様の表情は『ありがとう』...
と、皆様に伝えていらっしゃるような微笑みを浮かべているように見え、とても印象的でございました。

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家族葬の備庵【豊後大野・みえ】
　大分県豊後大野市三重町菅生1652-1

お若い頃はあまり家庭的ではなく、自由奔放だったというお父様。
それがまるで別人のように変化するきっかけとなったのはお孫様の誕生でした。
お孫様は男の子。
2人の娘様に恵まれたお父様でしたが、心のどこかで男の子の誕生を夢見ていたのかもしれません。
お孫様最優先になるほどすべての愛情を注ぎ、かつて夢中になった野球をお孫様が始められると、
とても喜ばれたそうで、練習の送り迎えや試合の応援にいつも駆け付けられていたとか...
お孫様の成長がまだまだ楽しみだったことと思います。

ご葬儀では、お孫様よりお別れのお言葉が贈られました。
「自宅の庭でよくキャッチボールしていたのが一番の思い出です」
「本当に可愛がってくれて、ここまで大きく成長できたのはじぃじのおかげです...
こんなにも早くお別れするとは考えてもなかったし、もっと一緒にいろんなことしたかった...。
じぃじと過ごした日々は本当に幸せでした。今までありがとう」
溢れる涙に声を詰まらせながらも一生懸命に想いを伝えられるお姿に、ご家族のみなさまは、
涙を止めることができませんでした。

お別れの時。
溢れる涙を拭われながらのお花入れとなりました。
みなさまから贈る最後のお言葉は、胸いっぱいの『ありがとう』。
すべての想いを...
「ありがとう...」
その一言に託して別れを惜しまれるお姿にお人柄が偲ばれました。

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　大分県豊後大野市三重町菅生1652-1

縞模様のキリッとしたお着物を着られ微笑まれたお写真。とても素敵な方だなと言う印象の故人様でございました。
今回お手伝いさせて頂きましたお式の故人様は８０代の女性の方でございました。喪主様は同居されていたご長男様がつとめられました。
身近なご親族様だけで送って差し上げたいとのお考えでした。
皆様でゆっくりとされながら、母であった故人様の事、お婆ちゃんであった故人様の事を、思い出されお話をされておられました。

「母は、とても明るく元気な人でとてもお洒落な人でした。まだ元気な時は、亡くなった父と一緒に花がとても好きだったので花を育てたり世話をしてました。」
ご長男様がお話ししてくださいました。
祭壇のお花がお母様のイメージでとても喜んで頂きました。

お別れの時、お花がお好きだった故人様は小さな小花柄のお洋服を着ていらっしゃいました。
そこに皆様から選んで頂いたお花をお声を掛けて頂きながら納めて貰い、最後に食べたがっておられた握り寿司も入れて頂きました。
「わぁーお母さん綺麗よ〜ありがとう。お疲れさま。お父さんと仲良くね。」

ご長女様が最後にお声掛けされ皆様でお蓋を閉めさせて頂きました。

皆様の思い出一杯のお話で心の温まるお式でございました。

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