家族葬エピソード876:「感謝の気持ちは伝えたいから」


故人様は70代の男性の方でした。
喪主を務められた奥様と息子様は突然の事になす術がないご様子でした。
そんなお二人を見かねた奥様の妹様ご夫婦が全てにおいてお手伝いしていらっしゃいましたが、
やはり奥様は中々喪主として動く事が難しいようでした。
話し合いをした結果、義理の弟様が代行を務める事になり奥様は少しホッとされたご様子でした。
それからは時々気になる事や不安な事を聞いて下さるようになりました。
ご要望も仰ってくださるようになり、私達スタッフも少し安心致しました。

喪主様のご挨拶のご相談をしに伺った時、
「家族葬だししなくてもいいんじゃない?」
と言う皆様のお言葉に対し、
「いえ!感謝の気持ちは伝えたいから」
とご挨拶なさることを即決されました。
そして喪主様のご挨拶の時...とても丁寧なご挨拶をされました。

出棺の後、皆様をお送りしたあと、火葬場に伺う用事があり皆様を訪ねると、喪主様が、
「本当に色々とありがとう。お世話になりました」
と微笑んでくださり、とても嬉しく思いました。
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家族葬エピソード875:「空の上で2人仲良く一緒にいると思います」


「お父さんと見守ってね」
故人様は80代の女性の方。
優しく穏やかな性格でいつも静かに家族を見守っていらっしゃったそうです。
2ヶ月前にご主人を亡くされ当会館でお見送りをされている御家族でしたので、
お名前を聞いた時には驚きました。
病気が見つかり始まった闘病生活は辛い日々だったと娘様はお話になられましたが...
「痛がる母に何も出来なくてもどかしい毎日でした。
でも母はいつも私たち家族のことを心配していました」
と故人様への尊敬の思いも教えてくださいました。

息子様も、
「長いこと母が病気で入院生活も長かったので父よりも母が先に逝ってしまうんではないかと、
皆で心配していたんですけど2ヶ月前に父が突然亡くなってしまい家族みんな驚いておりました。
母と父はまた一緒に住めることを強く望んでおりましたので今、空の上で2人仲良く一緒にいると思います」
とお式の最後にご挨拶されました。

最後のお花入れではたくさんのお花とお孫様が思いを綴られたお手紙をお供えされ、
娘様がそっと頬に手を添え、
「お母さん、お疲れ様。これからはお父さんと見守ってね」
と優しくお別れを伝えられ梅雨とは思えないほどの晴天のなかご出棺となりました。logo_color.png

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家族葬エピソード874:「何年も会っていなかった」


県外から帰省されたご家族様、お二人でのお見送りとなりました。
もう、何年も会っていなかった...とお伺いしました。
久しぶりに会えたのに、この様な形で...と悲しむご様子と少し憔悴されているご様子でしたので、
私共スタッフも、ゆっくりと入らせていただきました。

通常ですと、葬儀の後、ご出棺となるのですが、一晩ゆっくりしていただき、
翌日、お別れをされてご出棺となりました。

葬儀の翌日、式場へと入らせていただいたら、お二人共いらっしゃり、
今後の手続きの事、色々と終わらせて戻りたい事、何からしていいのか...とお困りのご様子でしたので、
担当者と一緒に、ひとつひとつ説明して、納得していただけました。
「身体は疲れているのですけど...これから考える事が多くて昨夜は眠れませんでした。
色々と丁寧に説明していただきありがとうございます。」
そうおっしゃって頂けました。
少しでも不安が減り、私共も、良かった!と感じました。

お二人でのお別れは寂しいので、ご一緒にお花をお棺に入れさせていただきました。
「何から何まで、ありがとうございました。」
と最後にお言葉を頂き、お見送りさせていただきました。logo_color.png

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家族葬エピソード873:「母との別れ」


故人様は70代の女性の方でした。
朝、式場に伺うと、暗くしたお部屋でご兄弟お2人、ただただ無言でお柩を見つめながら、
イスに腰掛けていらっしゃいました。
ご挨拶をするとお兄様はなんとか立ち上がり、「よろしくお願いします」とお話しすることができましたが、
弟様は振り返りはしたものの...言葉も発せず、泣き腫らした目をされ憔悴していました。

無事に出棺できるだろうか...
少し不安に思いつつお式の準備をさせていただきましたが、しばらくするとご親戚の方や
友人の方がおみえになりはじめ、お兄様は対応をされていく中で少しずつ表情がほぐれていきました。
弟様は変わらず虚ろな表情でご親族様のご対応もできないままでした。

お別れの時...
お柩の中の故人様に向けお花や好きだった物を納めていただいていましたが、
次々とお声をかけている皆様の中で、弟様はたった1人その場をはなれ、後方から悲しいお顔で、
その様子を見つめていました。
誰も声をかけることができませんでしたが、いよいよお柩のフタを閉じるとき、
お兄様が迎えに来られ優しく弟様に側に行くよう促されていました。
お柩の側まで行くと、我慢できずその場で泣き崩れてしまいました。
しばらくすると少しだけ落ち着いた表情をされ頷きながらお柩の側から離れました。

出棺の時、沢山の手荷物があったので「お手伝いします」と近付くと、
振り返られた弟様は穏やかに微笑まれていて、ホッと致しました。
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家族葬エピソード872:「親子4人で久しぶりに過ごした夜」


何度も祭壇の傍へ行かれては...お柩の傍で涙を流されている、故人様の妹様。
度々お顔を覗かれては、泣かれているお姿が見受けられました。

通夜の儀の翌日...
お柩のちょうど胸元辺りを触り、
「とても冷たく感じます...」
そう寂しそうにお話をされる、妹様。
「昨晩は...全く眠れなかったんです...だけど、親子4人で久しぶりに過ごした夜でした。
昨年10月から兄は仕事が転勤になり、県外の勤務になり、あまり会う事も無くて...
地元にいる時も、そんなに会ってはいなかったのですけど。
だけど、こんな時期だけど、ちょこちょこ、こっそりとこっちに帰って来てたみたいなんです。」
そう目に涙をいっぱい溜めて話してくださいました。

会わなかった時を後悔されているご様子...
お柩の傍にいらっしゃる妹様の想いをとても感じました。

親子3人で、お柩の傍で過ごされているご様子がとても心に残ったお見送りでございました。logo_color.png

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家族葬エピソード871:「手作りのパン」


とても安らかなお顔をされている故人様。
素敵なスーツを着こなし、蝶ネクタイをされており、「わぁ!とてもカッコいい!」と感じました。
お顔の横には美味しそうなパンが...
パン職人の息子様が、最後の想いを込めて作られ、傍に添えられたようでした。

式場入り口には、沢山のお写真が飾られており、お参りにみえた方々、足を止めて、
ご覧になっておりました。
「この人は登山も好きだったんですよ!」
奥様がその様に話されており、家に一旦戻られて、登山のお写真を持って来てくださいました。

長年、紳士服売場にて勤務されていた故人様。
仕事の成果が認められて、海外へ旅行に行かれたお写真の街並みや風景は、とても素敵なものばかりでした。

夫として...偉大な父親として...優しかったおじいちゃんとして...
皆様の想いが伝わってくるお見送りでございました。
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家族葬エピソード870:「故人様らしい唯一無二の空間」


誰とでも分け隔てなく接し、持ち前の明るさで冗談を言っては周りを笑わせ、
誰からも慕われていらっしゃった故人様。

ご家族様が「家族より神楽」とおっしゃるほど、人生の半分以上お神楽にひたむきに情熱を傾け、
地元の神楽会に携わってこられました。
心を通わせられる多くのお仲間と出会い、音を奏で、舞を舞い、生き生きと輝くお姿を、
いつも見せてくださっていたそうです。

「『俺が死んだ時は、湿っぽいのは嫌だから明るく笑いながら送り出してくれ』と言われ、
いかにも父らしい言葉に二人で笑ったのを思い出します」
とお話ししてくださった息子様のお言葉に、より故人様らしいお見送りができないかと模索していたところ...
お神楽のお仲間の方々がお囃子をCDに書き込み、お持ちくださいました。
故人様のお見送りに対する想いは皆同じだと感じ、あたたかい気持ちに。
お囃子が流れる式場内は、故人様らしい唯一無二の空間となり、ご家族様もとても喜んでいらっしゃいました。

所属していらっしゃった神楽会の法被姿でお囃子用の篠笛を持ち、お柩に眠る故人様。
お別れの時には、お仲間の方が想いを込めて作られたお手製の剣が手向けられ、
お囃子の音色とともにご出棺の運びとなりました。

募る悲しみの中にも、あたたかな想いに触れたひととき...
故人様にその想いが届き、向かう先でもまたお神楽を楽しんでいただきたいと思いながら...
お見送りさせて頂きました。logo_color.png

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家族葬エピソード869:「お別れの雨やね...」


ご納棺式の最後に、ご家族様がお柩へとお納めになられたのは、故人様が集められていた四つ葉のクローバーの押し花。
クローバーに囲まれた故人様のご表情は、微笑まれている様に感じられました。
女性らしい淡い色合いの花々で彩られた祭壇に飾られた御遺影のお写真は、北欧を訪れた際のものを選ばれました。

通夜式の前、式場前で静かな雨空を見上げて、
「三人姉妹、仲良くやってきたのになぁ。お別れの雨やね。」
と呟かれた姉妹様のお姿に、お別れの寂しさが深く感じられ...私も胸が詰まる思いとなりました

葬儀式の中で中学生になられたばかりのお孫様が故人様へと、日々の思い出、お別れの寂しさを伝えられました。
「大好きなおばあちゃん、今までありがとう。」
感謝のお気持ちで締められた、お別れのお言葉に式場内で、啜り泣く声が聞こえてまいりました。

お別れの時...
故人様がお好きだった鰻や、溢れんばかりの花々、皆様に折っていただいた折り紙が納められ、
ご家族様皆様で手を添えられ霊柩車へとお柩を納められました。

ご家族様、御姉妹様方の深い絆、ご友人様皆様の故人様への温かなお気持ちが伝わってくるお式でございました。
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家族葬エピソード868:「一番お父さんらしい」


「『勉強しなさいよ』が口癖で孫たち全員に顔を合わせる度に言っていました。
祖父は自分達に言うだけでなく自分も色々な事に興味を持ち勉強家。
海外の出来事にも興味があり、話している内容を知りたいと独自に英語の勉強をするほど努力家でした。
じいちゃん。じいちゃんが僕達に『勉強しなさい』と言ってくれたおかけで、
僕達はみんなそれぞれの場所で、活躍出来る仕事に付くことが出来ました。
ありがとうございました。」
お別れの言葉に立たれたお孫様は6名。
代表でお言葉を言われたお孫様は涙を流されながら、とぎれとぎれに感謝と尊敬の言葉を言われました。

今回お手伝いさせて頂きましたお式の故人様は、90代の男性の方でございました。
喪主様は三男様が、市外から駆け付けてこられ、つとめられました。

鉄道員として長年お努めされておられた故人様。
祭壇のお写真はキチっとネクタイを締められ真面目で勤勉なご様子が伺えるお写真でごさいました。
「いい写真やわ〜この写真にして良かった一番お父さんらしい。」
喪主様をはじめ、他のご親族様もとても喜んでおられました。

年に一回は皆様で旅行に行かれたり、キャンプに行ったりと、お元気なときはとてもアクティブで、
色々な経験が出来るのを楽しんでおられたそうです。
数学が得意で、お孫様達は皆様教えて頂いたと、お孫様が懐かしそうにお話されておられました。
最後にご親族様全員で行かれた海外旅行は皆様の心の中に楽しかった思い出として残っていると、
皆様で話しておられました。

お好きだったサーモンのお刺身とうなぎをお供えさせて頂きました。
「施設に行ってから『食べたいなぁ~、食べたいなぁ~』って言いよったから喜びます。」
と、大変喜んで頂きました。

お式は遠方から駆け付けてこられたご親族様、ご近所の方、ご友人とたくさんの方にお参り頂き、
祭壇のお花、お供え、皆様の折られた折り紙をご親族様お一人、お一人に納めて頂き、
お柩のお蓋を閉めさせて頂きました。
ご出棺の時までずっと涙を流されておられたお孫様方。
優しく、努力家のお爺様を心から思うお孫様方の優しさ溢れるお式でございました。logo_color.png

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家族葬エピソード867:「親父...」


今回お手伝いさせて頂きましたお式の故人様は80代の男性の方でございました。
長年、作業員として働いて来られた故人様。
お仕事終わりに飲む日本酒を楽しみにされお刺身を食べながら毎日同じ銘柄の日本酒を飲んでいたとか...

祭壇のお写真はお仕事姿のお写真で長年真面目に働いて来られたお姿の一枚でした。
「これが親父。洒落た服やら着ちよったの思い出せんけんな。」

今回喪主をつとめられた二男様が出来上がったお写真をご覧になり、そうお話しくださいました。
「親父もホッとしたやろ。あっちに行ったらみんなおるけんな〜
おいちゃんやらおばちゃんやら、お袋も...やっと俺も忙しくなくなるわ。」
『ほっとした。』『ゆっくり出来る。』
と、目に涙をいっぱいにし、グイッとビールを飲まれ、一人になった寂しさや悲しみを、
強がりを言われながら一緒に流し込んで...
喪主様なりに耐えておられるようでした。

メモリアルコーナーにはメッセージカードや、故人様がお好きだった銘柄の日本酒、
日本酒のお供の珍味をお供えさせて頂きました。
メモリアルコーナーご覧になったご親族様は故人様の思い出話をされ、
喪主様は聞いたことのないお話には耳を傾けられ、知っているお話にはうんうんと頷きながら...
にこやかにお話を聞いておられました。

ご親族様だけでのお見送り。祭壇のお花、お供えの日本酒、日本酒のお供の珍味、おはぎを、
皆様にお声がけして頂きながら、入れて頂きました。

「親父、こんなに花一杯にして貰ってよかったな。お疲れ様でした。」
喪主様の最後のお声掛けでお柩のお蓋を閉めさせて頂きました。

降っていた雨も上がり雲間から日差しが差し込む中...ご出棺となりました。

仕事に真面目で、優しい故人様に対する喪主様なりの尊敬と優しさを感じられたお式でございました。logo_color.png

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