家族葬エピソード964：「自分が先に逝くものだとばかり思っていました。」
「自分が先に逝くものだとばかり思っていました。」
長年連れ添って来られたご主人様は、涙を拭いながら...絞り出すようにそうつぶやかれました。
籍は入れてないと言う事でしたが何十年と一緒に暮らし、お互いの子どもたちとも、
いい関係を続けて来られたようでした。
数年前にご主人様が軽い脳梗塞で入院され、奥様は毎日病院に通われて...
「甲斐甲斐しく世話をしてくれました」
とぽつりぽつりとお話をしていただきました。
そして、また「なんで俺より先に逝くかなぁ...」と肩を震わせていました。
奥様はこれまで病気知らずで、あまり風邪もひかず元気で明るい方のようでした。
料理が上手で子供達が遊びに来たときには、はりきって沢山の献立を考えて楽しそうでしたと。
ちょっと体調が良くないなとおっしゃり珍しく病院へ行かれたのが３ヶ月前でした。
ご主人のあまりにも辛い表情を見て、お子様たちが、
「いつまでも悲しまんで！お母さん、心配するよ。」
と励ましの言葉をかけ、背中をさすり...ご自分達も涙を拭きながら...
自分たちのことも励ますように、頷きながらお父様に寄り添われておりました。
最後のお別れはお花を手向けられてる手も震えながらでしたが、
「俺が逝くまで待っとけよ」
とお言葉をちゃんと伝えられて...ご出棺となりました。
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