家族葬エピソード376:「こんな可愛い飾りつけもしてくれるんですね」

ご納棺式の前に式場へ来られたご家族様。

故人様を前に、
「眠っているみたいやね」
「今にも目を開けそうなのに」
とお言葉をこぼされておりました。

お棺へとお体が納められると、ご家族様よりすすり泣く声が漏れ聞こえてきました。

畑仕事に精を出し、出来た野菜を収穫しては、多くの方へと配られていた個人様。
お人柄を伺い、私共で思い出コーナーには、メッセージカードと、お野菜のキャンドルや飾り付けを、させていただきました。

思い出コーナーをご覧になられたご家族様より、
「こんな可愛い飾りつけもしてくれるんですね」
と嬉しそうにお言葉をいただき、私も喜んでいただけて良かった。と嬉しく思いました。

通夜式を終え、葬儀式の朝、故人様の娘様が姉妹揃ってお柩の中の故人様を見つめられていました。

最後のお別れを惜しまれているそのご様子に、私も胸が締め付けられる思いとなりました。
お別れのお花入れの際、皆様でたくさんのお花をお柩へと納めていただきました。
最後に故人様のひ孫様が折り紙に書かれたお手紙をそっと、胸元に置かれました。

ご出棺前にはご家族様の手で、お柩をお車へとお乗せいただきました。

式場の入り口に咲く、沈丁花の香りにつつまれる中、ご家族様と共に静かにご出棺となりました。