家族葬エピソード217:「もっと一緒にいたかった...」

故人様は70代とまだまだお若く、1年前に病気が分かってからは入退院を繰り返しご自宅へ帰れない日々の中、懸命に病と闘っていらっしゃったそうです。
家族の願いもむなしく、息を引き取られました。

ご遺族様は
「一度、自宅へ連れて帰りたい」
とのご希望で、一日ご自宅でご安置させていただき、家族水入らずの時間を過ごされてから会館へとお連れいたしました。

思い出が詰まったたくさんのお写真をお預かりし、ロビーにてスライドショー形式で用意させていただきました。
笑顔溢れる家族写真...
映画俳優のような素敵なモノクロのお写真...
お孫様と男同士背中を流し合ったお風呂でのお写真など......
大きな画面に大小様々に流れ浮かび上がるお写真を、ご遺族様はご覧になりながら思い出話に花が咲き、携帯電話片手に動画に収められているお姿もありました。

ご親族様も徐々にお集まりになる中、ご近所の方々とも深い交流があったようでたくさんの方がお参りに来てくださり、故人様との思い出話とともに奥様を励まされていらっしゃいました。
奥様は皆様のお気持ちが嬉しかったようで、やや緊張気味の硬かった表情も少しずつ和らいでいき、今後お一人で生活をされる奥様にとってどれほど心強いことかと安堵するような気持ちになりました。

顔馴染みの皆様とお話しされて少し落ち着かれたご様子の奥様に声を掛けると、故人様のことをたくさんお話ししてくださいました。
ご夫婦二人とも音楽が大好きで、好きな演歌歌手のコンサートにいつも2人でよく行っていたこと...
体を動かすのが好きで、野球に卓球、釣りやボウリング、そして盆栽まで多趣味でいらっしゃったこと...
温厚でとても優しく、2人の娘様を可愛がり、お1人のお孫様とともに釣りや野球を楽しまれていらっしゃったこと...
ビールにピーナッツ、唐揚げやお刺身がお好きだったこと......
語れば尽きることがない程に、故人様のお人柄やかけがえのない思い出をお話ししてくださった奥様の目や表情は、生き生きと輝いていらっしゃり、とても仲の良いご夫婦、ご家族なんだなぁと、お話しを聞かせていただきながら私まで幸せな気持ちになるような微笑ましいひとときでした。

ご葬儀当日の朝、想いが込められたメッセージ付きのたくさんの折り鶴を見つけ、あたたかい気持ちになりながらご挨拶に伺い、故人様がお好きだった唐揚げとお刺身をお供えさせていただきました。故人様やご遺族様に何かできることはないかと考え、故人様がしばらく口にできなかったと思われる大好物の2品を『喜んでもらいたい』という思いで用意させていただきました。
私共の心ばかりの贈り物に、奥様はじめご遺族の皆様も目を潤ませ感動してくださり、大変喜ばれていらっしゃいました。
私共の想いが伝わったようで嬉しく思いました。

お式の中で、お孫様より故人様へお別れのお言葉がございました。
今までとても可愛がってくれたこと...
いつもキャッチボールしてくれたこと...
いつも連れて行ってくれたバッティングセンターで練習するのがとても楽しかったこと
など、故人様とお孫様の仲良いお二人のお姿が脳裏に浮かぶようでした。
たくさんのありがとうの想いで溢れ
「もっと一緒にいたかった...」
と伝えられるお姿に胸が締め付けられ、別れが惜しまれる思いでした。

故人様が特にお好きだった曲が式場内に流れる中、お別れの準備が整い、ご遺族・ご親族様へお声掛けさせていただくと、故人様の眠るお柩へ足早に駆け寄りお顔を寄せ
「お父さん、お父さん」
と声を掛けられる奥様のお姿は涙で溢れ、別れの辛さと寂しさが痛く伝わってまいりました。
そんな奥様のお姿に胸を痛めつつ、皆様にたくさんの色とりどりのお花や折り鶴、歌詞カードに大切に育てられた盆栽の一部、愛用の本に唐揚げやお刺身、ビールやピーナッツなど、数えきれないほどの皆様の故人様に対する思いやりをお柩から溢れんばかりに手向けられ、たくさんの言い尽くせない労いと感謝の想いを伝えられながら、心ゆくまでゆっくりとお別れのひとときをお過ごしいただきました。

皆様の手でお柩の蓋を閉じられながら、蓋が閉まる最後の一瞬まで何度も
「ありがとう」
「ありがとう」
とお声をかけられてご出棺となりました。

ご家族を心から愛し大切にされていた優しい故人様との早過ぎる別れが惜しまれた、とても切ないお別れでございました。

火葬後ご自宅へ伺い、ご遺骨やご遺影写真を置いていただけるような小さな祭壇をお参りができるよう組み立て、整えさせていただきました。
「とても良くしていただいて、良いお葬式ができました。ありがとうございました」
と皆様から何度もありがたいお言葉をいただき、とても嬉しく感じるとともに、お手伝いさせていただいたことに感謝の気持ちでいっぱいになりました。

しかしながら、思い出の詰まったご自宅でこれからお一人で暮らす奥様のことが気掛かりでした。
そんな私共の気持ちを察してくださったのか、県外にお住まいの娘様お二人はしばらくの間、奥様のお傍にいらっしゃるとのことで安心し、
「何かお役に立てることがあれば、いつでもご連絡ください」
とお伝えし、ご自宅を後にしました。


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