2020年7月 4日

家族葬エピソード102:「お父さん、大好き」

「好きなものたくさん入れて送ってあげたいの」
と、奥様はおっしゃいました。

故人様のお柩の中には、生前お好きだった煙草の箱と、お団子やお饅頭等の甘いものが所狭しと納められており
「好きなものがたくさん入って...ご主人嬉しいでしょうね。お花にもこんなにたくさん囲まれて幸せですね」
と微笑むと、奥様は祭壇の遺影写真を見つめ、目を潤ませながら笑みを溢されました。
「明日もたくさん入れてあげましょうね」
と声を掛けると「うん、うん」と頷かれ、声を殺して涙されました。

お通夜が始まる随分前から式場の椅子にかけられ一人静かに顔を伏せておられた奥様。
お話しさせていただきながら奥様の表情やこれまでのお姿を思うと、察するに余りあるものがあり、奥様の計り知れない程の深いお悲しみが伝わってまいりました。

ご葬儀では長女様が弔辞を述べられ、
「家族だけでなく周りの人を思う優しいところ。
人の為に力を尽くすことの大切さも、その背中で教えてくれたね」
と、愛に溢れた故人様の生きた証をしっかりと心に刻まれた長女様。

「頑張り屋で強いお父さん。お母さんのことが大好きだったお父さん。
よく私の所に来てはお母さんの話をしたよね。これからは私達が支えて笑顔を届けていくから安心して見守ってください」
と伝えられ、奥様の方へ視線を移すと肩を震わせ涙されておりました。

「今までは恥ずかしくて言えなかったけど...」
と涙で震える声を精一杯絞り出し
「お父さん、大好き」
と故人様へ想いを届けられました。

ご葬儀も滞りなく進み、最後のお別れの準備を整えお待ちいただいていた皆様の元へ行くと、奥様やご長男様は大粒の涙を溢され今にも泣き崩れそうでした。

そんなお二人をご親族様が支え
「ほら、これで最後やぞ。しっかり送ってあげよう、な!」
とお声を掛けられ、背中をポンポンと軽く叩き励まされました。

お柩のまわりに皆様がお集まりになりお花入れが始まると、故人様の名前を呼び悲痛に泣き叫ぶ奥様。

故人様の顔を見て泣き崩れるご長男様。
「母ちゃんより先に逝ったらいけんよ...」
と呟き、つらい表情をされたお母様。

ご親族様が
「いっぱい入れてあげようね」
と声をかけられ、感謝の想いを込めて
「ありがとう」
と故人様へ声を掛けられながらお柩いっぱいにお花を入れていただきました。

そして、故人様の大好きな甘い食べ物もたくさん追加され
「いっぱい食べれんやったからさ、いっぱい食べて」
とお柩の中へ入れられました。

故人様のお側で離れがたいご様子が窺えましたので、担当者の計らいで時間を取り、心ゆくまでお別れをしていただきました。

ご親族様・ご友人・お寺様・私共スタッフが見守る中
「早過ぎるよ、早過ぎるよ」
と声を上げ、悲痛な思いを故人様へ訴え続ける奥様のお姿は、胸が張り裂ける思いでした。

最後は声を震わせながら囁くように精一杯の愛を込めて
「愛してる...」
と故人様に想いを伝えられました。

夫婦の深い愛に触れ、奥様のお気持ちを思うと涙を堪えきれず、心が揺さぶられました。

皆様、お柩の蓋をなかなか閉じることができない程、故人様との別れを惜しまれた深いお悲しみの中での愛にあふれたお見送りでございました。

ご出棺時、奥様より
「いろいろとありがとうございました」
と声を掛けてくださり、心ゆくまで見送ることができたようで安心いたしました。

ご葬儀から日にちが経った今でもご遺族様のお姿を思い出し、少しでも気持ちが癒えていってほしいと願わずにはいられません。

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